地下アイドル姫乃たまの恥ずかしいブログ

1993.2.12下北沢生まれ。地下アイドル姫乃たまの主にアダルトなお仕事日記。普段の活動は「姫乃たまのあしたまにゃーな」http://ameblo.jp/love-himeno/

『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』

子供の頃に、読み聞かせてもらった童話はなんでしたか? グリム童話ですか? アンデルセン? それともイソップでしょうか。

私は母親が幼少の頃に贈られた(つまり私の手に渡った時点で背表紙などが綻んでいた)イソップ童話にかじりついていました。そのほかにも幼稚園や小児科にある絵本や。

小学校にあがって、文庫で星新一の小説を読むと、大人が読むような本(級数が小さいだけで、どの本もとても難しく見えました)も読めるようになっていることがわかり、日常の多くの時間を読書に充てるようになりました。

それから時々、私はよい読者ではありませんでした。嫌なことがあった時、気を紛らわすために、字を斜め読みすることもあったからです。
そうして本は私が健やかな時以外も、常に私のそばにありました。私に何も求めず、逃げず、いつもそばに。

高校生になってケータイ小説が世間的にも流行すると、これまで当たり前だと思っていた、紙で本を読むことの魅力に気がつきました。紙の手触り、インクの匂い。
本に顔を埋めると、いろんな気持ちになります。過去の、喜びや、辛さや、あの時の、この時の気持ちが混ざって。

もはや私は文章が読みたいのか、紙を触りたいのか、インクの匂いを嗅ぎたいのかわからなくなっていたほどです。

大学生になると、本の内容よりも装丁や紙の質に関心が向くようになりました。紙の手触りや微妙な色の違い。マットな、つやつやな、加工。文字の形や、色や、それらが並んだ時の雰囲気の違いや、しおりの有無。花布の色、表紙の装丁等々。

大学を卒業して、数ヶ月が経ったいま、自分の本が出版されるなんて、まるで夢のようです。

徹夜を重ねた執筆の日々も、優しく熱心な編集さんたちの声も、いまではもう遠いことのようで、出版されるという事実からもすっかり遠のいていましたが、私がぼんやりしている間にも、私の書いた文章はデザインされ、印刷され、全国に流通する準備がなされていたのです。

そして、ふいに編集さんから連絡は届きました。「書籍発売情報、解禁お願いします。」

またたく間に書籍に関する記事がネット上に公開され、イベントの開催も決定しました。あの本が、本当に本屋に並ぶのかあ。

姫乃たま、初の単著出版決定! 「アイドルをよく知らないという方にも読んでいただきたいです」 

書籍の内容は、上記の記事にある通りで、過去に連載してきたものの再構成と、書き下ろしが収録されているのですが、過去の連載に関しては、納得いかないものが多く、ほぼ書き下ろしと言っていいほどリライトしました。連載を読んでくださってる方にも、改めて読み返してもらえますように。

また、寺嶋由芙ちゃんとのメジャーインディー対談、最近では「アキバ系の生き字引」とも呼ばれているらしい(!)FICEさんといちご姫さんとの座談会、さらに嶽本野ばらさんとの対談も収録されています。

同時にグラビアページとして、学生時代から縁があり、成人式にも写真を撮っていただいたカメラマンの平山訓生さん、アイドルとアダルトの世界を綱渡する私を元AV女優でカメラマンの大塚咲さんに撮影していただきました。

件の成人式の写真も収録されています。

そして何より注目していただきたいのが、上下の帯を折り込んだ特別仕様(と、記事の文中にはありますが、実際にそう呼ぶしかないほど稀有な)装丁になっています。

勘のいい方がツイッター上で「この装丁なら中のデザインも凄そう」と書いてくださいましたが、まさにその通りで表紙を手がけてくださった川名潤さんが、中身もすべてディレクションしてくださっています。

散々、推敲して、なお納得いかない(しかしこれ以上、私にはどうにもできない)文章が、川名さんのデザインにおさめられた途端、あるべくしてそこに書かれているようになった、あの時の感動は忘れられません。

ちなみにこの表紙の現物をまだ私は見ていません。製作はひとつずつ手作業で、とても時間がかかるそうなのです。デザインしてくださった川名さんに、作業してくださる印刷所の方に、まず私のわがままを鼻で笑うことなく聞き入れてくれたblueprintの編集さんたちに、それを叶えてくれたサイゾー社に、とてもとても感謝しています。

それを手にした時、私は何を思うのでしょう。きっと、執筆してた時の疲労感に似た高揚感や、いままで読んできた本のこと、図書室の先生、読んでいた場所や、その時々の私のこと、すべてが走馬灯のように体を駆け巡るでしょう。きっとそのはずです。


■『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』
著者:姫乃たま
版元:サイゾー
発売日:9月22日
価格:1400円(税抜)

この本は、居場所を見つけるための、探すための本です。アイドルに関心のある人にはもちろん、生きづらい人にも届くように願っています。

そして読み終わった本を誰かが古本屋やフリーマーケットに売っぱらって、私がアイドルじゃなくなった頃に、誰だか知らない人に読まれたりしますように。その時、地下アイドルシーンはどうなっているのでしょう。

でも、もちろん最初から古本屋で探さないでね!

そのためにサイン会付きのイベントをやります。ぜひ手渡しさせてください。

姫乃たま『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』出版記念
トーク&ライブショー 握手会&サイン会あり!


2015年9月27日(日曜日)
会場/2.5D(渋谷PARCO part1 6F)
〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1パルコパート1
open/start 18:00/18:30
ticket:¥1500+1D
【30席限定】2000+1D(先着で会場前方の座席をお取りできます。)
出演:姫乃たま and more!
※チケットは9月7日正午より、下記2.5dのウェブサイト上のPeatixで受付開始です。

地下アイドル兼ライターとして活躍する姫乃たまが、9月22日に初の単著『潜行 ~地下アイドルの人に言えない生活』を刊行。現役の地下アイドルとして約7年のキャリアを持つ姫乃たまが、シーンにおける“ブラックな実態”から“愛おしい魅力”までを書き綴った一冊に仕上がっている。
  刊行を記念して、ゲストを招いたトークとライブ、そした終演後に初となるサイン会も行われる。